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028.『検診のすすめ』-自分の健康は自分で守る!

 日頃病院に通院されている患者さんでも「市民検診は受けていない」という方が多いことに驚きます。
 「私は通院しているから、先生に良く診てもらっているはずだ。」と皆さん言われます。しかしこれは大きな誤解です。

 病院での診療では、症状や何らかの病気がある場合に、その病気に対してだけ検査や治療を行います。例えば高血圧や高脂血症、糖尿病でずっと通院して、血液検査や薬の処方を受けていたとしても、その病気以外に関しては検査を行いません。そのため、知らず知らずに「がん」になっていたり、他の病気が進行していることがよくあります。
 そのため、普段病院にかかっていない人だけでなく、病院に通院されている方でも、1年に1度ほどは全身的な健康診断をすることが非常に大切です。

 現在、市民検診の内容としては、がん検診とメタボ検診が2本の柱になっています。これは「がん」が日本人の2人に1人がかかり、3人に1人が死亡する最も多い死因であり、メタボは心筋梗塞や脳梗塞といった「血管が詰まる病気」の原因で、これらが2番目に多い死因だからです。

 メタボは体重や血圧、腹囲といったものから簡単に検査でき、血液検査でかなり詳しくわかりますが、がんは簡単には検査できません。またがんの検査は「つらい検査」も多く避けてしまいがちですが、「自分の健康は自分で守る!」という意識を持って、主治医は良き健康相談相手として上手に付き合って行くというのが理想的だと思います。

 今からでも間に合いますので毎年の検診をぜひ受けましょう!


(「くすぐる診療所」2014年7月号より改訂)

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