082.「2018年の話題と2019年への期待」
あけましておめでとうございます。
2018年の今年の漢字は2004年と同じく「災」でしたが、年初の大雪、島根県西部・大阪府北部・北海道胆振東部地震、平成30年7月豪雨、相次ぐ大型台風上陸(特に台風21号は各地で観測史上1位の暴風を記録)、酷暑など自然災害が多い1年でした。
医療の分野では医学部不正入試問題が取りざたされ、来年の医学部入試にも大きな影響が出そうです。さて医療界の明るいニュースと言えば何と言っても本庶佑(ほんじょたすく)先生のノーベル生理学医学賞の受賞です。今後飛躍的にがん治療に免疫療法が活用されるようになりそうです。また腹腔鏡手術が進化した「ダビンチ」というロボットを使ったロボット支援下内視鏡手術が、これまでの前立腺・腎臓に加えて今年から心臓や肺、食道、胃、直腸、子宮、膀胱などの手術にも保険適応が認められました。ロボット支援下内視鏡手術は、低侵襲でありながら精密な手術が可能であり現在大きな注目を集めています。
また近年のインターネット、スマートフォンやタブレット端末などの情報通信技術の発達に伴って、病院の外の患者さんと病院のドクターがテレビ電話を使った「オンライン診療」をすることも保険医療で認められるようになりました。まだ始まったばかりの制度ですが、将来は医者や病院の少ない僻地(へきち)、離島や無医村などだけでなく、都会でも仕事が忙しくなかなか通院できない患者さんや在宅治療をされている患者さんへの活用が期待されています。
さらにオンライン診療で医師不足や医師の長時間労働の解消、患者さんの通院時間や待ち時間の解消ができるようになれば、医療者にも患者さんにも大きなメリットとなるでしょう。
さて今年2019年はどのような年になるでしょうか? 5月で平成が終わり新しい元号に変わります。10月には消費増税10%も始まる予定ですがしばらくの間は軽減税率8%に据え置かれる物品もあり現場や消費者は混乱しそうですね。
家計にとっては厳しくなりますが、ここで少々家計の足しになるお話を一つ。2017年1月から施行されている「セルフメディケーション推進のためのスイッチOTC薬控除」をご存知でしょうか? これは年間医療費10万円以上の場合に適用となる医療費控除とは別で、もともと病院でしか処方できなかった薬が薬局で買える薬(OTC薬)になった場合これらのOTC薬を自分や家族が薬局で買った合計が1年間で1万2千円以上の部分が控除の対象となる(上限8万8千円)というものです。
このように医療の制度、税金の制度も知らない間に変わっていることも多いため、正しく情報を知り上手に活用して家計や健康に役立てて行きましょう!