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112.栄養のお話し〜その1「コロナで太ってしまった!ダイエットを成功させたい!」

 コロナウイルスの感染拡大によりこの1年で非常に多くの社会構造の変化が起きてきました。「巣ごもり」「在宅ワーク」「テレビ電話(ウェブ会議=インターネット会議)」などもその変化で、会議や学会、大学の授業、テレビ番組の出演でさえも遠隔(リモート)から参加することが日常的となり、私たちの生活様式が変わりました。

 外出外食が制限されストレスが増える中「コロナで太った」と言われる患者さんが増え、糖尿病や脂質異常症が悪化された患者さんも多くなったと感じます。特に糖質の多いインスタント食品や甘味料の入ったペットボトル飲料やアルコール飲料などが多い食生活を続けていると、糖尿病が悪化し中性脂肪が増えて体脂肪の増加による「肥満」が悪化してしまいます。

 今回から数回にわたって、私たちの食生活を見直し「栄養」と「ダイエット」について考えて行きましょう。

 栄養学ではなんといってもまず「3大栄養素」つまり「炭水化物(糖質+食物繊維)」「タンパク質」「脂質」が重要で、これらは意識的に食べる量を調節しコントロールすることが可能です。ついで「5大栄養素」と言われるのは、この3つに加えて「ビタミン」「ミネラル(無機質)」です。
 また、栄養がエネルギーとして使われる時のエネルギー量=熱量をキロカロリー(kcal)という単位で表すため、栄養分の熱量のことを俗に「カロリー」とも言いますが、このカロリーも栄養のバランスを考える上で重要です。

 そして今回最後に1つ覚えていただきたいのが、BMI: body mass indexと言われる「肥満度」の指標でその計算方法です。今では体重計に自分の身長を入力しておくと自動的にBMIの計算をしてくれますが、計算機でも簡単に計算できるので知っておくと便利です。計算式は[体重(kg)]÷[身長(m)÷[身長(m)]です。

 では実際の例(身長156cm=1.56m, 体重57kg)で計算してみましょう。まず計算機にあなたの体重「57」を入力します。その次がポイントで、あなたの身長をメートルに直してください。156cmなら「1.56」です。みなさんはほとんどの方が1m〇〇cmなので、「1.〇〇」になるはずです。そして、「57」÷「1.56」÷「1.56」と体重を身長で2回割るように入力してみてください。するとこの例では、「23.4220907・・」と答えがでますが、端数は無視して結構です。「BMI:23.4」と考えましょう。

 このように実際計算機で簡単にBMIは計算できるので試してみてください。そしてこのBMIをもとにして、今のあなたが痩せすぎか、適正な体重なのか、太っているのかを判断します。痩せすぎや太り過ぎは病気につながります。

 一般的にはBMI:22が最も良い、BMI:18.5〜24.9が病気になりにくいと言われていますが、年齢や性別ではさらに細かく違いがありますので、次回はそれらをみて行きましょう。


「くすぐる診療所」 (2021/06/20) No.112. 2021年07月号掲載

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