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094.「2020年(子年)謹賀新年」〜『SDGs』=10年後の世界目標とは?

 いよいよオリンピックイヤーの年明けとなりました。2019年は振り返るととても出来事の多い慌ただしい年だったように感じます。今年の漢字は「令」となりましたが、5月に天皇が交代され新しい元号「令」和になっただけでなく、消費増税などの法「令」改正、芸能人の闇営業や薬物使用逮捕など法「令」遵守、10月12日の台風19号とその前後の千葉県の豪雨災害など度重なる避難勧告発「令」などもこの字が選ばれた理由に挙げられています。

 その他にも繰り返される児童虐待や児童殺害(5月28日:川崎児童殺傷事件など)、7月18日の京都アニメーション放火殺人事件、世界では香港の民主化デモ、12月4日アフガニスタンでのNGOペシャワール会代表・中村哲医師銃撃殺害など不穏なニュースが相次ぎました。これらの痛ましい事件の根底にあるのは貧困・社会の不平等・そして地球温暖化による異常気象などです。

 逆に嬉しいニュースとしては何と言っても9月-10月のラグビーW杯日本大会で初の8強入りを果たした日本代表チームの活躍ぶりでしょう。若手やベテラン、多国籍の選手が団結するチームのスローガン「ONE TEAM(ワンチーム)」は今年の流行語大賞にも選ばれました。まさにこの言葉は今後の世界の目標とすべき言葉だと思います。

 人・物・情報の移動・流通・通信の国際的な開放は「グローバル化」と呼ばれますが、今後ますますその流れは速く強くなり各国の交流と相互依存が重要になって来ます。また世界中で長寿化が進み「人生100年時代」の到来が予測されており、社会の枠組みが根底から変わろうとしています。これまでの年功序列制度は崩れ、地理的なグローバル化と共に年代間の交流と相互依存もこれまで以上に活発になるでしょう。

 人生100年時代の到来は少子高齢化問題を保育無料化だけでは解決できません。女性労働者差別・若者の貧困と晩婚化の問題や、従来の定年制・年金制度の改定や非正規・正規労働者の同一労働同一賃金制、パワハラ防止の法制化など様々な「働き方改革」と密接に関わっています。

 今年になって「SDGs」=sustainable Development Goals: 持続可能な17の開発目標という標語が取り沙汰されるようになって来ましたが、これは2015年に国連サミットで採択されたもので、世界中の国々=貧困国も発展途上国も先進国も全ての国々が一致団結して2030年までに人々の生活と地球環境を未来に安心してつないで行くことができるように掲げた共通目標です。この17の目標の中には、貧困飢餓を無くし健康と衛生と教育が行き渡ることを始め、責任を持った消費と生産、クリーンなエネルギー、働きがいがあり格差のない経済と社会、そして海陸の豊かさと温暖化などの地球規模の気象変動への対策が盛り込まれており、日本でも大企業を始めこのSDGsの理念を実行に移す企業が増加しています。

 これは目先の自社利益だけを考えて有害物質を放出する様な企業活動は、地球温暖化→豪雨と言った喫緊の環境問題を引き起こし、結局は回り回って自分たちのコストやリスクを増大させ不利益を被る連鎖を引き起こすことを理解し始めているからです。

 皆さんも初期投資がやや高くても、燃費の良いハイブリッド自動車や電気代の安いLED、低電力家電などが環境への配慮と共に自分自身への利益にもつながることを実感していると思います。そうすることが希望ある未来への持続可能な地球環境を作る「SDGs」への小さな一歩となることに私たち一人一人も気づき始めているのです。2020年も明るい未来を作るために世界中の人々と「ワンチーム」となって「SDGs=人類と地球が今後も存続してゆけるための達成目標」を目指した生活を送って行きましょう!

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