大腸カメラについて
大腸内視鏡検査(大腸カメラ)とは、正式には「下部消化管内視鏡検査」といいます。肛門からファイバースコープを挿入し、盲腸から直腸までの大腸全体を観察します。
現在、市町村や会社などの健康診断では大腸がん検診として、便潜血検査が実施されています。
これは、便の中に血液が混ざっていないかを検査するもので、一時的な腸炎や痔などでも陽性となる場合があります。
また、がんであっても出血していなければこの検査ではがんやその他の病変があるかどうかは判断することができません。
精密な検査を受けるきっかけとしては便潜血検査も重要ですが、大腸カメラでは、大腸全体をカメラで実際に観察し、病変が見つかればその場で組織を採取するなどの検査や治療も可能という、腸の検査としては最も精度の高い検査といえます。
大腸の病気は、生活の欧米化に伴い日本でも特に増加している病気で、大腸がんは、現在日本で最もかかることの多いがんです。また、その死亡率も男性ではがんの中で第2位、女性では第1位となっています。
ただし、大腸がんは早期に発見できればほとんどが治すことのできる予後の良いがんです。そのため、大腸カメラの検査で早くポリープなどの病変を発見し、対処することがとても大切なのです。
当院の検査の特徴
- 熟練した内視鏡の技術を持った専門医師の施術と、内視鏡検査技師のサポートによって、検査に伴う苦痛や羞恥心を極力少なくし、丁寧で安心・安全な検査をいたします。
- ご希望に応じて、鎮静剤(眠り薬の注射)を使用することもできます。
- 大腸カメラ検査時にポリープや早期大腸がんが確認された場合、ポリープの大きさや個数・血の止まりやすさ・などを考慮して、危険が少なければその場で切除が可能です。身体に負担が少ないよう施術を行いますので入院の必要もありません。
大腸カメラの流れ
内服薬の確認、前処置薬や検査食の処方など、事前診察が必要です。
検査3日前までに一度、診察の予約をお願いします。
01.検査前日の夜
前日夜のご飯について
- 前日の夕食は21時までにお済ませください。 うどんや白米、おかゆ、豆腐など消化のいい食べ物をお召し上がりください。 揚げ物、玄米、脂肪分の多い魚類、食物繊維の多い野菜類、海藻やきのこ類は腸にとどまりやすいのでお控えください。
- 検査前の食事を考えるのが難しい方は、大腸検査食(検査前に適したレトルト食品)の購入もできますのでご相談ください。
- 飲み物は21時以降でも飲んでも構いませんが、水またはお茶で、お酒や牛乳、ジュースなどはお控えください。
普段から便秘の方へ
普段から便秘の方は、3日から1週間ほど前から食事制限・便秘薬治療を行った方がいい場合があります。検査前の説明をよくご覧になり、実施をお願いいたします。
検査前の内服について
検査前日の内服薬は通常通り内服してください。(一部内服を控える必要がある薬もあるため、薬を処方した医師に事前の確認をお願いします)
また、前日の夜に下剤を飲んでいただきます。
鎮静剤(眠り薬の注射)希望の方へ
鎮静剤(眠り薬の注射)を希望される方でマニキュアをされている方は、当日までにマニキュアを落としておいてください。検査中、指に装置をつけて血中の酸素濃度をモニターする必要があるため、ご協力ください。(親指や人差し指など、指一本で構いません)
▼
02.検査当日の朝
当日の朝ごはんについて
当日の朝は絶食でご来院ください。水またはお茶は飲んでも構いません。
内服薬について
- 朝の内服薬については、処方医の指示に従ってください。
- 内服される場合は、朝7時までに内服を済ませてください。
- 高血圧や心臓の薬・ステロイドや甲状腺ホルモンの薬・神経科や精神科の薬など、急に止めると危険なお薬は検査当日も内服していただきます。
- 糖尿病の薬は、絶食により低血糖症状を起こす可能性があるため、検査当日は服用をしない(休薬)のが基本ですが、休薬しない方が良い場合もあります。必ず検査までに主治医・検査医師にご確認ください。
- 血液をサラサラにする薬(抗血栓薬)は、「検査(観察のみ)」時および「生検(組織の検査)」時には休止・変更の必要はありませんが、「ポリープ切除」時には休薬が必要な場合があります。事前診察にて医師に相談できていない場合、検査直前であっても必ず医師もしくは看護師へご相談ください。
▼
03.来院
当日の持ち物
- 診察券
- 保険証
- お薬手帳
- 紹介状や健診結果(お持ちの場合)
- 検査着を購入されない場合:汚れてもよいTシャツなど・腰に巻くバスタオル
来院の流れ
来院されたら、まずは受付を済ませて検査への案内をお待ちください。
検査説明の動画視聴後、電子同意書にサインをお願いします。(検査当日までにインターネットで検査説明動画の視聴・サインを済ませていただくと、よりスムーズに検査が実施できます。)
お車やバイク、自転車でのご来院について
お車やバイク、自転車での来院は可能ですが、検査後に気分が悪くなったりふらついたりする場合もあることをご承知ください。
鎮静剤(眠り薬の注射)を使用した場合はご自身による運転は危険ですのでおやめください。
(タクシーの利用、ご家族の送迎などをご利用ください。)
▼
04.前処置
腸の中をきれいにするために、腸管洗浄剤を1~2L、数回に分けて服用していただきます。途中で気分が悪くなったり、お腹が張った感じが強くなるようであればすぐにスタッフにお知らせください。
(前処置の腸管洗浄剤はご自宅で飲んでいただくことも可能です。その場合、来院はお昼ごろになります。)
▼
洗浄剤を飲み進めていくと、何度も排便があります。排便が完全に透明の水のような状態になったら、検査を開始します。
▼
05.検査
検査着に着替えていただきます。
▼
ベッドに横になっていただきます。
▼
鎮静剤(眠り薬の注射)を希望された方は、静脈点滴にて鎮静麻酔を開始します。(通常すぐに効き始めます)
▼
検査は15分~30分ほどで終了しますが、ポリープを切除する場合はもう少し時間がかかります。
▼
鎮静剤を使用した方は、薬からさめるまで処置室のベッドにて30分~1時間ほど安静にします。(さめ具合によっては長くなることもあります)
▼
鎮静剤(眠り薬の注射)を使用されない方へは、検査結果を検査中タイムリーに説明させていただきます。
鎮静剤(眠り薬の注射)を使用された方は、後日改めて受診していただき、検査結果を説明します。
▼
06.ご精算
自動精算機にてご精算後、帰宅していただきます。
大腸ポリープ
大腸ポリープは良性でも、ポリープが大きくなると、大腸がんになるリスクがあります。
大きさが20㎜以上になると、50%ほどの確率で「がん化」する可能性がありますので、小さいうちに切除します。
大腸ポリープができても、自覚症状はほとんどありません。ポリープ発見には大腸カメラ検査を定期的に受けることが必要で、早期に切除することによって大腸がんのリスクは軽減されます。
大腸ポリープの原因
- 脂っこい食べ物や加工肉を好んで食べる
高カロリーな食べ物や、赤身の肉をよく食べる方は発症リスクが高くなります。
栄養バランスのとれた規則正しい食生活が大切です。 - 遺伝的要素
ご家族に大腸がんを罹患したことがある方は自覚症状がなくても定期的な検査をしましょう。
ポリープ切除は日帰り手術が可能です
大腸カメラ検査時に、ポリープが見つかった場合はその場で切除が可能です。
検査と同時に手術ができるので、患者様の通院や体の負担が軽減できます。
ポリープの大きさや、数、形状によって手術ができないものがあります。
その場合は、連携医療機関へご紹介いたします。
ポリープを切除術したあとの注意点
- 下血が頻回に出たり、腹痛が治まらないときは当クリニックまたは救急を受診してください。
- 下剤により、体は脱水状態になっています。こまめに水分補給をしてください。
- ポリープを切除した当日はアルコールや油分の多い食事はお控えください。
- シャワーは可能ですが、切除当日は入浴は控えてください。翌日から入浴も可能です。
- 激しい運動はお控えください。(1週間ほど控えてください)
- いきんだり、重い荷物は持たないようにしてください。
- 血液をサラサラにするお薬を服用中の方は医師の説明があります。
よくあるご質問
前回3年前に検査しました。検査の間隔はどのくらいが理想ですか?
特に症状が何もない方については、5~10年に1回の検査が推奨されます。ポリープがある場合やポリープ切除後の場合は、ポリープの個数や異型度(組織の悪性度)に応じて、1~5年後に再度検査をしたほうがよいでしょう。また、その他の大腸の疾患がある場合にも、1~3年に1回の検査をおすすめします。詳しくは医師より指示いたします。
大腸ポリープの切除をするときに痛みはありますか?
痛みはありません。大腸の粘膜には痛覚がないため、ポリープを切除すること自体に痛みは伴いません。
何歳ごろから検査すればいいですか?
特に決まった推奨年齢はありませんが、40歳を過ぎたら定期的に検査を受けることをおすすめします。40歳ごろからがんを発症する方が増え始め、50歳を超えるとさらに急増します。特に、50歳から75歳までのあいだに初回の検査を受け、その後は何も症状がない場合でも75歳までは、5~10年ごとに検査を行うことが望ましいとされています。
大腸カメラは予約が必要ですか?
予約をお願いいたします。
インターネットからのご予約、事前の検査内容説明動画視聴、電子同意書へのサインによってスムーズに検査を受けることが可能です。
病理検査の結果は電話で聞けますか?
個人情報漏洩の観点や行き違いの恐れがあることなどから、基本的には行いません。
検査結果はご本人がクリニックを受診して説明を受けてください。
ポリープ切除した場合、生活の注意点はありますか?
当日は刺激物の飲食・飲酒・入浴はお控えください。(シャワーは可能です)
また、激しい運動や重労働、重いものを持ったりいきむような動作はお控えください。
できるだけ安静を心がけ、水分を多めに摂取してください。