子宮頸がんワクチンは2024年9月までに1回目を!

はまだクリニックでは、子宮頸がんワクチン=ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチンの公費による3回のキャッチアップ接種を実施しています。3回とも公費で受けるには「2024年9月末まで」にぜひ第1回目を受けましょう!自費で受ける場合には1回2万5千円かかります。

子宮頸がんワクチン=ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチンの接種を逃した方へ~キャッチアップ接種のご案内~

 子宮頸がんはヒトパピローマウイルス(HPV)の感染によって引き起こされることがわかっているがんです。そのため、ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチン接種によって予防できるがんでもあります。

子宮がんは他のがんと同様に、自覚症状が出てきた時にはすでに相当大きくなっていることが多く、そうなると大きな手術をする必要が出てきます。子宮と卵巣の摘出、リンパ節の摘出などにより、女性ホルモンの低下やそれに伴うコレステロール増加・骨粗鬆症リスク、リンパ浮腫による下半身の進行性のむくみなどと一生付き合って行く必要が出てきます。

子宮頸がんワクチン=ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチンは、通常中学1年生の時に(小学6年生から高校1年生=12歳から16歳になる年齢までに)第1回目の接種を受け、その後合計3回のワクチン接種をすることになっています。最も新しい9価ワクチン(シルガード9)は、15歳になるまで(14歳まで)に1回目を受けた場合は合計2回の接種で良いことになっています。

現在2025年3月までの間、「平成9年度生まれ~平成19年度生まれ(誕生日が1997年4月2日~2008年4月1日)の女性」で「過去にHPVワクチンの接種を合計3回受けていない」方を対象に、公費による合計3回の子宮頸がん=ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチン接種が受けられます。これは一時的に子宮頸がんワクチンの公費による定期接種が行われない期間があり、この期間中にワクチンを受けられなかった方々への救済制度です。3回の接種を公費で受けるためには、今年2024年9月中に第1回目を受けなければ2025年3月までに3回目を受けられません。

はまだクリニックでは、火曜日から土曜日の偶数日(通常診察日)に、午前9時から12時、午後2時30分から17時、5日前までにWEB予約をしていただければ、各種ワクチン接種を行っています。子宮頸がんワクチンも同じ日程で受けられます。患者さんの予約人数が多くない場合には、火曜日から土曜日の奇数日(内視鏡など精密検査日)にもワクチン接種を個別相談で承っています。

ヒトパピローマウイルス(HPV)感染症とは?


 ヒトパピローマウイルス(HPV)は、性的接触のある女性であれば50%以上が生涯で一度は感染するとされている一般的なウイルスです。子宮頸がんをはじめ、肛門がん、膣がんなどのがんや、尖圭コンジローマ等、多くの病気の発生に関わっています。特に、近年若い女性の子宮頸がん罹患が増えています。

 HPV感染症を防ぐワクチン(HPVワクチン)は、小学校6年~高校1年相当の女子を対象に、定期接種が行われています。

予防接種健康被害救済制度について

 極めてまれですが、予防接種を受けた方に重い健康被害が生じる場合があります。HPVワクチンに限らず、予防接種によって、医療機関での治療が必要になったり、生活に支障が出るような障害が残るなどの健康被害が生じた場合は、申請し認定されると、法律に基づく救済(医療費・障害年金等の給付)が受けられます。
 なお、現在の救済制度の内容については、下のボタンの「予防接種健康被害救済制度について」のページをご参照ください。

日本での「子宮頚(しきゅうけい)がんワクチン」接種(せっしゅ)の遅れと現在の「キャッチアッ
プ接種」の勧(すす)めとは?〜この2024年9月中に子宮頚がんワクチンの接種開始をぜひお勧め
します!〜

 最近ネットやテレビで「子宮頚がんワクチンを受けましょう!」というCMがよく流れています。

 子宮頚がんとは、20〜30歳代の出産年齢にある若い女性でも発生する危険がある子宮頚部の”がん”で、妊娠初期に発見されて胎児と子宮を全摘出をせざるをえないこともあります。原因の95%は、ほとんどの大人が感染する危険のある「ヒトパピローマウイルス(HPV)」というごくありふれたウイルスによって引き起こされる”がん”だということもわかっているため、10歳代のうちにこのHPVワクチン接種を3回ほど行い、ウイルスの持続的な感染を予防することが子宮頚がんを予防する1次予防のためには非常に大切です。

 しかし2013年にワクチン接種が開始された当初に、ワクチンによる副作用が過剰(かじょう)に取り上げられ、厚生労働省もワクチン接種には消極的(しょうきょくてき)になっていました。そのため日本では子宮頚がんワクチンはほとんど接種されずに8年が経過してしまい、諸外国との間に大きな格差ができてしまいました。

 最近の日本では、子宮頚がんが発見される女性は20代から80代と幅広く年間1万人ほどで、子宮頚がんのために死亡する女性は年間3千人ほどと、増える傾向にあります。ヨーロッパなどからは「子宮頚がんワクチンで”子宮頚がん”の発生が抑(おさ)えられた!」という研究結果が多く発表されるようになったため、2022年に8年ぶりに日本でもワクチンの積極的(せっきょくてき)な接種が勧められるよになりました。

 しかし、この8年間に「子宮頚がんワクチンはこわい」という印象がついてしまったために、なかなか接種する女子が増えていません。来年2025年3月までは「キャッチアップ」対象の女子は公費で(自己負担なしで)ワクチンが受けられます。対象となっているのは1997年4月2日〜2008年4月1日生まれの今年度16〜27歳になる女性で、この「キャッチアップ接種」の制度の有効期間である来年の3月までに3回の接種を公費で受けるためには、この9月中に1回目を始めなくてはいけません。

 「キャッチアップ; catch up」とは英語で「追いかけて捕まえる→遅れを取り戻す」という意味で、本来は小学6年生〜高校1年生(12〜15歳)になる年度に定期接種としてワクチンの1回目を受けるのですが、その時期を逃した今年度16〜27歳になる女性が「遅れを取り戻す=チャッチアップ」のために公費で受けることができる救済制度です。

 副作用の危険はゼロではないのですが、どんな予防接種でも異物であるタンパク質を注射するために、わずかながら重篤な副作用が起こる危険はありえます。また副作用に対する救済制度もあります。子宮頚がんになってしまい苦しむことと比べると、ワクチンを打った方が良いという研究結果が、現在の世界的で科学的な考え方です。

 残り期間がせまってきましたが、「10代〜27歳の女性の方」は、これからでもまだ間に合いますので、ぜひ子宮頚がんワクチンの接種を受けるようにおすすめします。

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