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07.「メタボとは?」 ~『予防する医療』への意識改革を!その7~

 これまでの6回の連載で、現在日本の死亡原因で一番多い(約30%)「がん」をいかに予防し、早期発見、早期治療するかをお話してきました。

 今回からしばらくは、がんの話から少し離れ、死因の第2位(約30%)であるもう一つの国民病「動脈硬化性疾患」についてお話しします。その後また「がん」の話に戻る予定です。

 「動脈硬化」とは「動脈血管が狭くなり最終的には詰まってしまい血が流れなくなってしまう」病気で、多くの日本の中年から高齢者がかかっている病気です。
 動脈硬化が原因で引き起こされる病気は多数あるのですが、代表的なものとして、「心筋梗塞」(心臓の血管が詰まってしまい、心臓の筋肉細胞が死んでしまう状態で心臓が止まり死亡しやすい)、「狭心症」(心臓の血管が狭くなり、将来心筋梗塞に進行しやすい)、「脳梗塞」(脳の血管が詰まってしまい、脳細胞が死んでしまう状態で、死亡しやすく、麻痺などの後遺症も残りやすい)、「脳出血」、「慢性腎不全」などがあります。

 その原因としては高血圧、高脂血症、糖尿病、高尿酸血症、肥満(特に内蔵脂肪型肥満)、たばこが代表として挙げられます。「メタボ」は正式には「メタボリックシンドローム」の略ですが、端的に言えば「内蔵肥満型肥満」に上に挙げた「高脂血症」や「高血圧」「糖尿病」などが加わり、「動脈硬化性疾患」に非常になりやすい状態を指します。

 次回も引き続き動脈硬化につき説明します。

(「くすぐる診療所」2012年10月号より改訂)

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